狭心症
動脈硬化などが原因で冠動脈の血流が十分でなくなると、心臓が酸素不足となり、痛み、圧迫感、絞扼(こうやく)感(しめつけられる感じ)などの胸部症状が現れます。ちょうど心臓の筋肉の筋肉痛のような状態です。このとき、心筋の細胞は失神した状態にあります。これが狭心症の発作です。
最初のうちは、心臓がたくさんの酸素を必要とする運動時だけに症状が出ることが多く(労作性狭心症)、筋肉痛のように休むと治まることが多いのですが、病気が進行すると安静時にも症状が現れるようになります。
また、狭心症の中には、冠動脈に動脈硬化がなくても、冠動脈自体が痙攣・収縮(攣縮=れんしゅく)し血流が悪くなり、狭心症のような症状が出る場合があります。このような状態を「冠攣縮性狭心症」といいます。これは血管の中は動脈硬化によって細くなっていないことが多いので、血流の低下(発作)は運動時・安静時に関係なく起こります。特に朝方の発作が多く、「朝方胸が痛くて目が覚めた」という患者さんが多くいらっしゃいます。
胸部症状を自覚するときには、早めに検査を受けることが大切です。